リゴレット
Rigoletto


 

リゴレットはジュゼッペ・ヴェルディの16作目のオペラ。全3幕からなる。

1851年にベネチア、フェニーチェ座で初演されましたが、初演翌日にはベネチア中のゴンドラ漕ぎが「女心の歌」を歌い始めるほどヒットしたという逸話があります。ヴェルディ中期の傑作とされます。


登場人物(男性は青字、女性は赤字
マントヴァ公爵・・・マントヴァという地方を治めている殿様。(テノール)

リゴレット・・・公爵に仕えるせむしの道化師。(バリトン)
ジルダ・・・リゴレットの隠し娘。16歳。父親の職業すら知らされていない。(ソプラノ)

スパラフチーレ・・・プロの殺し屋。(バス)
マッダレーナ・・・その妹。兄と居酒屋兼売春宿を経営。(メゾソプラノ)

チェプラーノ伯爵・・・美人の妻を公爵に口説かれたため公爵を恨んでいる。(バリトン)

モンテローネ伯爵・・・チェプラーノ伯爵夫人の実父。公爵に娘をもてあそばれて怒り、このオペラのキーワードとなる「呪い」の言葉を叫ぶ。(バス)


第1幕第1場(マントヴァ公爵の宮廷)
マントヴァ公爵の宮廷で宴が行われていた。マントヴァ公爵は集まった貴婦人達の品定めをしている。

 (あの女もこの女も)

あの女もこの女も 私にとっては皆同じだ
私の目に届くところにいる取り巻きの女たちはすべてだ
私の心をそう簡単には独り占めにはさせない
他の美人を差し置いて一人の女になんか
女の魅力というものは男の命に花を添えるために神が贈ってくれたもの
今日この女が気に入れば 明日は他の女が気に入るだろう
貞節なんか心の暴君 疫病神にでも食われてしまえ
貞操なんか守りたいやつに守らせておけ
自由がなければ愛には何の価値もない
亭主のやきもちや恋人の怒りなんかはあざけてやるさ
百の目を持つアルゴスに見張らせたって ものにしてみせるさ
きれいな女が私の目にとまればの話だ

第3幕(殺し屋スパラフチーレ邸)
復讐に燃えるリゴレットは殺し屋スパラフチーレマントヴァ公爵を殺すよう依頼した。殺し屋スパラフチーレは妹のマッダレーナを使ってマントヴァ公爵の気を引き、彼の家である居酒屋兼売春宿でマントヴァ公爵を殺す段取りであった。しかしそうとは知らぬマントヴァ公爵はのんきに歌を歌っている。

(女心の歌)

風にふかれる羽のように 女は変わりやすいものだ
言葉も思いも すぐに変えてしまう
いつも愛らしく 愛嬌のあるあの顔で
泣いたり笑ったりするのも みないつわりなのさ
女を信じる者や 女に注意をしないで心を捧げる者は惨めなものさ
だけど女の胸から愛を吸い取らない男には
本当の幸福なんてわからないのさ


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