ラ・ボエーム
La Boheme


 

フランス革命による激動の時代が終わり、1800年代半ばのパリは軽工業や商業を中心に経済がどんどん発展していきました。経済が発展していくと当然人間が集まってきます。そして人口が増えれば、その中には売れない芸術家に金を出してくれる金持ちもいます。

第1幕で音楽家のショナールが「ある紳士のところで、飼っているオウムに音楽のレッスンをするように依頼された」と言って金貨をたくさん持って帰ってきました。これは極端な話でしょうが、画家にしても作家にしても大都会の中ではそれなりの需要があるわけです。

ちょうど今の東京を想像すればよいのかもしれません。このようにパリに集まってきた売れない芸術家たちはいつも簡素な服装をしていました。

「ボエーム」とはジプシーという意味のフランス語で、英語で言えば「ボヘミアン」、
つまりボヘミア人という意味です。
売れない芸術家たちはジプシーのように見られていたわけですね。
ちなみにボヘミアは現在のチェコの地方名で、ここには多くのジプシーがいたのでこのような言い方をするようです。


登場人物

[ボエーム4人衆]
ロドルフォ
(詩人)
←→ ミミ
マルチェッロ
(画家)
←→ ムゼッタ ←→ アルチンドロ
(パトロン)
ショナール
(音楽家)
コッリーネ
(哲学者)

第2幕(カフェ・モミュス)
先発隊の3人に続いて詩人ロドルフォとミミもカフェ・モミュスに到着。
ミミを皆に紹介したところでカフェ・モミュスに入ってきたのは
画家マルチェッロの元恋人のムゼッタ。
しかもパトロンのアルチンドロと一緒。
ムゼッタは無視を決め込んでいた画家マルチェッロの気をしきりに引こうとする。

(さよならのアリア)

あなたの愛が呼ぶ声を聞いて
幸せを感じてそこから出てきたのですが
ミミはひとりでまた寂しいねぐらへ戻ります
もう一度 みせかけだけの花を作りに戻るの
さようなら 恨みっこなしにね
でも、聞いて、聞いてちょうだい
あちらこちらに残してきた少しばかりのものを集めていただきたいの
私の引出しの中に金の腕輪がしまってあります
それとお祈りの本が…全部一緒にエプロンに包んでください
そうしたら私は門番を使いによこします
そう、枕の下にばら色のボンネットがあります
もしよかったら、あなたがよかったら愛の思い出にそれをとっておいて下さい
さようなら、さようなら、恨みっこなしに


トスカ