3.旧約聖書

4.イスラエル建国へ

天地創造

初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。「光あれ」こうして光があった。「一人の人間の成し得ることが知りたければ、ここを訪れるがいい」 ヴァチカン、システィーナ礼拝堂でミデランジェロの巨大絵画を見た詩人ゲーテの言葉。

アダムとイブ

その形の如くに人を作りたまへり。 神はご自分にかたどって人を創造された。 「人が一人でいるのは良くない。 彼に助け合う者を造ろう」。人が眠り込むと、あばら骨の一部を抜き取り、その跡を肉でふさがれた。そして、人から抜き取ったあばら骨で女を造りあげた。

ティツィア−ノ=ふたりは禁断の木の実を食べる以前からイチジクの葉っぱをつけている。ル−ベンス=旧約聖書の話どおりに、その葉を剥ぎとっている。システィナ礼拝堂の天井には、ミケランジェロが描いた旧約物語のフレスコ画がある。中央に並んでいる9つの長方形の区画のうち、正面壁画側から数えて四番目が「アダムの創造」、五番目が「イブの創造」。 

「園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう」 「決して死ぬことはない。それを食べると、目が開け、神のように善悪を知る者となることを神はご存知なのだ」

楽園追放

アダムとイブは、知恵の木の実を蛇に誘惑されて食べてしまう。そのことが神の怒りに触れて、二人はエデンの楽園を追放される。「おまえが裸であることを誰が告げたのか」 「おまえははらみの苦しみで子を産む。おまえは男を求め、彼はおまえを支配する」 「おまえは、生涯食べ物を得ようと苦しむ。おまえは顔に汗を流してパンを得る。土に返るときまで。おまえがそこからとられた土に。塵にすぎないおまえは塵に返る」 エデンの園=ヘブライ語で快楽の場所

カインとアベル

アベルは羊を飼う者、カインは土を耕す者なりき。 楽園を追放されたアダムとイブはその日から食べる物にも事欠くようになり、アダムは農耕の人となる。イブは快楽の所産として陣痛の苦しみをもってカインとアベルの兄弟を生む。神様は羊飼いのアベルの貢ぎ物は賞したが、カインが捧げた農作物には目もくれなかった。頭にきたカインは弟を殺してデンの園の東のノドの地に住むはめになる。 蛇は悪、羊は善の象徴

ノアの箱船

神、世を見たまひけるに、見よ乱れたり 彼らを世とともに滅ぼさん。人間が悪いことばかりするので、神はもう一度初めからやり直しをすることにし、ノアに告げて箱船を建造させ、動物一つがいずつを入れささせる。

バベルの塔

創世記11章。人間が慢心を起こし、天まで届く塔を建て始めた。神はこれを見て直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまった。バベルとはバビロンのこと。混乱(バラル)が語源

アブラハム

ノアの子孫は連綿としてアブラハムに至り、その子イサクの子ヤコブに至る。 ヤコブとその12人の息子たち、その子孫を通常イスラエル人と呼ぶ。
創世記22章。 神はアブラハムに息子イサクを捧げるように命じる。アブラハムはそこに祭壇を築き、息子イサクを縛ってその上に載せた。その時天から主の御使いが言った。「アブラハム。その子に手を出すな。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かった」。アブラハムは雄羊をわが子の代わりに供え物として捧げた。スペイン料理の仔羊の丸焼きはこの物語に由来。コロンブスが新大陸で七面鳥を発見してからはクリスマスのご馳走としてヨーロッパの風習となった。

ヤコブ

ヤコブは石を枕に野宿する。ヤコブは夢を見る。一挺のはしごが天から地に向けて立てられていて、天使小僧たちがそれを上り下りしている夢だ。ヨーロッパでは、雲間から差し込む光を「ヤコブのはしご」として見、これに遭遇すると信心深い人びとは胸に十字をきる。ヤコブが枕にしたという石は、ロンドンのウエストミンスタ−寺院に奉られていて歴代のイギリス国王、女王の戴冠式はこの石をくくりつけた玉座をもって行われる。ヤコブの12人の息子たちとは、イスラエルの12部族のこと。

4.イスラエル建国