当時の日本の指導者は、やはり歴史から何も学んでいなかったということになる。一緒に戦ったということが、いかに大事か。これは歴史の中にいくらでもある話である。
そもそも1902年に日英同盟が誕生したのも、日本がイギリスと一緒に戦ったことがきっかけだった。当時の大英帝国は「スプレンデッド・アイソレイション=光輝たる孤立」を標榜して誰とも同盟を結ばない方針であった。
1900年の北清事変で、義和団の乱が起きたとき、最も勇敢に、かつ規律正しく戦ったのが日本の兵隊だった。その姿を見て、イギリス人ははじめて日本人が信頼に足る民族だということを、肌身に知る。これがなければ、日英同盟は絶対に生まれなかった。
イギリスは日露戦争でも色々と日本を側面から援助した。
結果的に見れば、大英帝国が最も輝いていたのは、日英同盟の時期であった。
日英同盟を解消してからのイギリスは、どんどんアメリカに国際的な地位を譲っていくことになった。日英同盟がなくなってからというもの、日本の国際情勢判断はおかしくなっていくわけだが、その最大の原因はアングロ・サクソン世界からの情報が入ってこなくなったことにある。
|