カルメン


 


オペラ「カルメン」は、1875年3月3日、パリのオペラ・コミック座で初演されました。結果は失敗。当時としてはあまりに破天荒なカルメンという女性像を、聴衆が受け入れようとしなかったのです。しかし、リアルな感情表現とは無縁だったオペラに、生身の感情をストレートに注ぎ込んだ意欲作は、僅か7ヶ月後のウィーン国立歌劇場で大人気を博したのです。以来、オペラ史に残る傑作として、「カルメン」は現在も世界各地で上演されています。

オペラの大衆化は「カルメン」によって一気に進みました。「カルメン」---それは、オペラの歴史を塗り替えたオペラなのです。

時・所
1820年頃 スペイン、セビーリャ

あらすじ
衛兵伍長ドン・ホセには、ミカエラという許嫁が故郷にいます。けれどもドン・ホセはタバコ工場で働くカルメンに心を奪われ、ケンカを起こして捕らえられたカルメンを逃がしてしまいます。

事件から二ヶ月後、営倉に入れられていたドン・ホセは、密輸団のアジトである酒場を訪れカルメンと再会。しかし直後に上官とトラブルを起こし、密輸団の一員になります。密輸団とともに山中へ潜んだドン・ホセ。そこへカルメンに焦がれる闘牛士、エスカミーリョがやってきます。二人は決闘しますが、ドン・ホセは母の危篤を伝えに来たミカエラと帰郷します。それでもカルメンを諦めきれないドン・ホセは、やつれ果てた姿で闘牛場に姿を現し、カルメンに愛を求めるのですが・・・・

演奏時間:約2時間34分