『アイーダ』(Aida)ジュゼッペ・ヴェルディが作曲、1871年に初演された全4幕から成るオペラ。
ファラオ時代のエジプトとエチオピア、2つの国に引裂かれた男女の悲恋を描き、今日でも最も人気の高いオペラのひとつです。
また第2幕第2場での「凱旋行進曲」の旋律はあまりにも有名です。
1869年、スエズ運河の栄えある開通式にイスマイル・パシャはオーストリア皇帝やナポレオン三世をはじめヨーロッパ諸国の元首と名士を招待ました。
開通式に集まる来賓をもてなすために建てられたのがカイロ・オペラ座でした。そしてそのオペラ座のこけら落としに演奏される筈だったのが『アイーダ』なのです。ところが、ヴェルディの作曲が遅れ、オペラ座のこけら落としにに間に合いません。急遽、代わりに上演されたのが「リゴレット」でした。
そして、「アイーダ」の初演は運河開通の翌年に持ち越されたのでした。
当時58才、最高の円熟期にあったイタリアの作曲家ヴェルディ−の傑作オペラです。
紀元前のエジプトとエチオピアを舞台とする悲劇的な物語。
中でも第2幕第2場の凱旋の場は舞台的にも華やかで、このオペラで特に有名なシーンです。「凱旋行進曲」はここで勇壮に演奏されます。
プッチーニは19歳の時にヴェルディの歌劇「アイーダ」を見て感激し、オペラ作曲家を志しました。そしてヴェルディ以降のイタリアオペラ界を代表する作曲家になりました。
登場人物
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エジプト国王(ファラオ)(バス):約45歳。威厳に満ち、堂々とした態度。
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アムネリス(メゾソプラノ):エジプト王女。20歳。とても活発。性格は激情的で、感受性に富む。
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アイーダ(ソプラノ):エチオピア王女で女奴隷。肌は暗く赤みがかったオリーブ色。20歳。愛情、従順さ、優しさ――これらがこの人物の主要な特質をなす。
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ラダメス(テノール):軍隊の指揮官。24歳。情熱的な性格。
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ラムフィス(バス):祭司長。50歳。確固とした性格。専制的で残忍。態度は威厳に満ちている。
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アモナズロ(バリトン):エチオピア王であり、アイーダの父。肌は暗く赤味がかったオリーブ色。40歳。
御しがたい戦士で、祖国愛にあふれている。性格は衝動的で暴力的。
第2幕
ラダメス率いるエジプト軍が戦いに勝ち凱旋に戻ってきました。
(エジプトに栄えあれ)
(民衆) エジプトに栄えあれ
我らが聖地を守るイシスの神に栄えあれ
デルタの地を支配する我らの王に祝賀の歌を捧げよう
(女たち) 月桂冠に蓮の花を絡ませて凱旋将軍の頭にのせましょう
花の嵐が武器の上に白いベールをかぶせたようだ
踊れ、エジプトの娘たち
空で太陽の回りを踊るように神秘的な踊りを踊れ
(祭司たち) 勝利を司る神々よ 目を向けたまえ
この幸せな日に我らが感謝を受けたまえ
ブログ 歌劇「アイーダ」